ギルティ第二話

フジテレビ系(関西テレビ制作)。ドラマ「ギルティ 悪魔と契約した女」。第二話。
三十億円もの金を盗んだ人物が最も善良な人物に見えてしまう凄まじい話。堂島基一(唐沢寿明)に関して云えば、真実や正義よりも話題性を優先する卑劣な姿勢はジャーナリストとしては普通であるのかもしれないが、普通であれば言論人の正義を気取る言動によって糊塗されるべきところを敢えて糊塗しないばかりか、往年の宅八郎のような小汚い風貌で狂気の表情を見せることによって露出し強調してみせて嫌悪感を惹起することで、このドラマの基調をなすとも云える悪意に満ちた世界観を端的に表現し得ている。
このドラマの中で最も共感され愛され得る人物は、主人公の真島拓朗(玉木宏)だろうが、実のところ彼でさえも無謀な捜査を敢行したことで配下の若い刑事を死なせてしまった一点において決して善良であるとは云えない。警視庁捜査一課理事官の宇喜田元(吉田鋼太郎)が悪人であるのは既に明白だが、他方、極めて不快な言動をなした門倉了(RIKIYA)に関しては、実際には尤もなことを云っているとさえ云えなくもないのだ。無茶な命令を下して配下の者に殉職をさせたような無能な「エリート」に対して、嫌悪感や不信感を抱くのは当然なのだ。