仮面ライダーオーズ第十二話

今日は忙しかったが、明日一日だけは休日。
ところで。
東映仮面ライダーオーズ/OOO」。
第十二話「ウナギと世界と重力コンボ」。
鴻上財団の隊長、後藤慎太郎(君嶋麻耶)に対する火野映司(渡部秀)の、「俺、後藤さんのこと嫌いじゃないですよ。何となくだけど」にはなかなかの重みがある。なぜならこれは既に、鴻上財団からの色々便利な贈物を届けてくれる親切な人への好意ではなくなっているからだ。後藤慎太郎は「誤って」仮面ライダーオーズを砲撃してしまったが、そのことについて火野映司に謝罪するどころか逆に火野映司への敵意をさえも表明したのだ。それでもなお、火野映司が後藤慎太郎を「嫌いじゃない」のは、後藤慎太郎が世界を守りたいと思っていることに敬意を払い、仮面ライダーオーズを(もし一緒にやってゆける手段があるなら)一緒にやってゆける仲間であり得ると感じたからだろう。対する後藤慎太郎が「俺は世界を守るために…、いや、まだ何もしてない」と素直に己を省みることができたのは、仮面ライダーオーズ=火野映司が目の前で困っている人々を助けたいという志を貫いて実際に闘っているのを目の当たりにしたからでもあるだろうが、それ以上に、志を貫くためには己が少々不幸になることをも受け入れ得る程の志の強さに圧倒されたからでもあるだろう。
今回は後藤慎太郎の心の変容(仮面ライダー風に「変身」と表現してもよい)を描いた話だっただけに色々な意味における見せ場があった。例えば、鴻上財団の会長室で鴻上光生(宇梶剛士)に叱られていた場面。何時ものようにケーキを拵えながら顔の表情には憤りを隠せない鴻上光生は「いや、素晴らしい。私に無断でヤミーを倒そうとするなんて。新しい後藤君の誕生だよ!おめでとう!」と怒鳴りつけて、さらにケーキの材料の白い濃厚な液を後藤慎太郎の美しい顔に投げ散らした。
叱られて謹慎を命じられて落ち込んでいたかと思えば、肩を落として自宅へ帰ろうとしながら不図、火野映司のことを思い出しては現状への不満を再燃させたり、そこへ不意に出現した鴻上生体研究所長のドクター真木清人神尾佑)に声をかけられるや再び攻撃的な表情に戻ったかと思えば、再び煽られて同じように煽られてしまったり。美しく甘い顔立ちの所為か、周囲からは甘く見られている後藤慎太郎が大いに翻弄されて、色々な顔を見せた。火野映司を後方支援するためグリードを砲撃しようとしていたところをヤミーに飛ばされて痛めつけられていたのも含めて、翻弄されて傷付けられる後藤慎太郎に「萌える」とか云う視聴者も少なくなかったろうと想像する。
後藤慎太郎と火野映司が並んだ画を見て、渡部秀の大きさ、太さに驚くと同時に、君嶋麻耶の顔の小ささに驚いた。