リバウンド第八話

日本テレビ系。水曜ドラマ「リバウンド」第八話。
今井太一(速水もこみち)は、三村瞳(栗山千明)から求愛されていることを大場信子(相武紗季)に告げ、どうすべきかを問いかけた。どうして問いかけてしまったのだろうか。
大場信子は、自身の親友が自身の元恋人に恋をしたとなれば、必ずや自ら身を退くような人物ではないかと思われる。三村瞳は無論そう思って行動しているはずであるし、今井太一もその程度のこと位は解っていたのではないだろうか。それでも今井太一は大場信子と自身との愛を信じていたのか知らないが、たとえ両想いの愛があったとしても、大場信子が今井太一からあのような問いを受けた場合に自ら身を退く以外の選択肢を考えようとはしないことは、容易に予想できたはずだ。
もっとも、今井太一をここまで迷走させた発端も、大場信子のこの無用な優しさの押し売りにあった。救いようもない話に見えるのはその所為だ。
大場信子が元恋人の風見研作(勝地涼)の信用できない点を指摘する場面がこのところ続いているのは、彼が欠点のある人物であることを強調することで、大場信子への同情を視聴者に惹起し、展開に説得力を持たせることを意図してのことだろうか。でも冷静に見て、彼の欠点が大場信子の欠点に比べて特別に深刻であるとも思えない。
それなりに陽気な話として始まったはずのこのドラマも、このところ思いのほか陰気な話と化してきている。「謎の青年」(竜星涼)が周囲の状況や自身の心境を全て何者かとの携帯電話の遣り取りの中で全て説明しようとしているのは相変わらず陽気な描写ではあるが、ドラマ全体が陰湿化してきた中ではその効果も足りない。