ドン★キホーテ第九話

日本テレビ系。土曜ドラマドン★キホーテ」第九話。
京浜児童相談所の恒例行事の一つ、子どもたちの芝居の発表会。芝居の演目は「ドン・キホーテ」。その主人公が男の中の男とも形容され得る人物であることを知った城田正孝(松田翔太)の姿をした鯖島仁(高橋克実)は、自ら監督を引き受けたばかりか、主演の座をも子供たちから奪い取った。脚本も手掛けることにして、実際には鯖島仁の姿をした城田正孝に下請させた。鯖島仁の姿をした城田正孝は大いに筆を振るい、興に乗った勢いで主人公のために長大な台詞を書いてしまった。
台詞が長く、多くなった結果、台詞を殆ど憶えられなかった城田正孝の姿の鯖島仁は、台詞を書いた所謂カンニングペイパーのスケッチブックを村松千佳(大橋のぞみ)に準備させた上で、舞台上で石の役を演じる村松千佳の幼い弟二名に、スケッチブックを然るべきタイミングで掲げさせることにして、そのスケッチブックの頁をめくって掲げさせるタイミングの指示を、同じく舞台上で樹の役を演じる彼等の姉の村松千佳に出させることにした。
芝居は快調に進展していたが、いよいよ最終の場に至ったところで、村松千佳と弟二名の唯一の親である失業中の村松清志(宮崎吐夢)が、己の無気力な生活を反省して、子どもたちの芝居を見に来たとき、彼の子ども三人は感激の余り暫しカンニングペイパーの役割を忘れてしまったため、城田正孝の姿の鯖島仁は肝心の長い台詞を全く発することができなくなって芝居の流れが止まり、不審に思った観客も騒然となって窮地に陥った瞬間、村松千佳が主人公に代わってその台詞を堂々と発して、見事に芝居を締めくくった。カンニングペイパー作成の作業を通して台詞を記憶していた結果だった。
騎士ドン・キホーテの西洋甲冑が松田翔太には似合っていたし、大橋のぞみはドン・キホーテの長い台詞を堂々演じて迫力があった。