テレヴィアニメ怪盗ジョーカー第四十六話
テレヴィアニメ「怪盗ジョーカー」第四期。
第四十六話(シーズン4第七話)「国際会議を狙え」。
今週もNTTひかりTVのWEB配信で視聴。原作については心当たりがないが、アニメ独自に書かれた話だろうか。ただし関連する話としては、小学館てんとう虫コロコロコミックス『怪盗ジョーカー』第二十二巻に収録された「帰ってきた伝説のスパイ」がある。
これは原作においてドクター・ネオが初めて登場した話であり、五十年前にシルバー・ハートの仲間だったエージェント・パープルが初めて登場した話でもある。この話でドクター・ネオはテロリズムの手段としてパリで開催される「国際会議」の会場へのミサイル攻撃を企て、ジョーカーによって阻止されるが、アニメ版「国際会議を狙え」では、ドクター・ネオは「国際会議」の席上、ミサイル開発のための資金援助を各国代表に訴える。もう一つ興味深いのは、アニメ版「国際会議を狙え」の冒頭では、古代の秘宝に関係ある「島」をジョーカーが発見するが、その姿は、原作「帰ってきた伝説のスパイ」に登場するドクター・ネオの秘密基地のある島の姿によく似ていること。シルバー・ハートがドクター・ネオと(一応)再会すること、シルバー・ハートがエージェント・パープルとの再会を楽しみにしていること等も含めて、アニメ版「国際会議を狙え」は、原作「帰ってきた伝説のスパイ」を構成する幾つかの要素から成るように思われる。
しかし全く別の話ではあり、構成要素に関しても、原作「帰ってきた伝説のスパイ」には国際会議そのものが出てこないこと、アニメ版「国際会議を狙え」では、シルバー・ハートがエージェント・パープルに再会する前であると同時に、再会したドクター・ネオについては「他人の空似か?」としか反応しなかったこと等の違いがある。
さらに大きな違いとして、アニメ版の今回の話の舞台となった国際会議には、第十八話「ラグナロクの光の下で」に登場したサフラン王国のパプリカ女王と重臣バジル将軍が出席したということがある。王国をプロフェッサー・クローバーの魔の手から救った英雄ジョーカーと、幼いながらも根性のあるパプリカとの再会と共闘は、アニメ版「怪盗ジョーカー」のファンにとっては極めて嬉しい展開。ジョーカーは再び「とんでもないものを盗んだ」と云えようか。
そしてもう一組の再会。スペードは会議場の一室で贅沢な食事を一人で摂る人物を見出し、幼い日を一緒に過ごした意地悪な少年ダンプを想起した。姿形は変わっても、面影が確かに残っていると感じたのだろう。その人物もまた、唐突に室内に乱入してきた不審人物を、なぜか排除しようともせず、まるで懐かしい友であるかのように親しく語り合った。幼い日を一緒に過ごした少年キングの面影を見出したのだろうか。彼が、少年キングを想起させるその不審人物こそがスペード=キングその人であると知ったのは、シルバー・ハート一味とドクター・ネオの戦闘が繰り広げられていたのを観戦していたときであり、対するにスペードが、少年ダンプの面影を残しているこの孤独の人こそはプレジデントDの正体であると知ったのは、敵が敗走するのを見届けていたときだった。
なお、アニメ版の今回の話には、怪盗対策機構の鬼山警部とギンコとモモが登場し、ドクター・ネオの悪事を暴くという場面があった。ジョーカーと鬼山警部が連携するのは久し振りのことだったろう。