警部補矢部謙三第四話

テレビ朝日系。金曜ナイトドラマ警部補 矢部謙三」。第五話。
警視庁公安部の刑事、警部補=矢部謙三生瀬勝久)が謎の連続殺人事件の現場に居合わせ、何時ものように右往左往しつつも何とか誤魔化して乗り切ろうとするが、それがどのように展開し、どのように解決を見るのかは次週の最終回を待たなければならない。
ともかくも今宵の第五話には今までの四話をはるかに凌ぐ盛り上がりがあって面白さがあったが、何といっても衝撃的だったのは、最後に、矢部刑事の初代の部下だった石原達也(前原一輝)の仮面を被った人物が出てきたこと。台詞もあった。しかも「カムバック(期間限定)」という墨書を額装したものを掲げてもいたが、仮面の下も本人であるかどうかは定かではない。出演者として「前原一輝(写真出演)」と書いてあったから、既に芸能界を引退した彼が今回だけは(期間限定で)劇中での写真と音声の使用を許可したということなのだろうか。
写真のみの出演者として、もう一人、谷津勲もいた。弁護士=小野寺の遺影として彼の写真が使われたわけだが、驚いたことに、数多くのテレヴィドラマに出演して印象深い演技を見せた俳優=谷津勲は二〇〇八年四月十八日に逝去なさっていたらしい。「トリック」では、「サイトレイラー深見」篇における辰巳琢郎似の組長が特に印象深い。
さらにもう一人、衝撃の再登場を果たしたのは津村俊介(山崎一)。実に十年も昔、人の心を読み抜くことのできる霊能力者のビッグマザーこと霧島澄子(菅井きん)を教祖として担ぎ上げて、宗教団体「母之泉」を組織したことのある彼は、ビッグマザー亡き今、自ら新たな教祖となって「瞼乃母」を組織し、あろうことか警察への報復を企てているらしい。他方、矢部刑事が巻き込まれてしまっている今回の連続殺人事件の舞台は、これまた十年昔の、ミラクル三井篠井英介)の事件の舞台となった宝女子村に他ならない。