仮面ライダードライブ第十二話

平成「仮面ライダー」第十六作「仮面ライダードライブ」。
第十二話「白い仮面ライダーはどこから来たのか」。
二人の人物に光が当てられた。一人は、警視庁捜査一課の警部補、追田現八郎(井俣太良)。もう一人は新たに登場した第二の仮面ライダー、米国帰りのマッハ=詩島剛(稲葉友)。
追田現八郎は、元来は他の捜査一課の刑事連と同じく警視庁特状課を馬鹿にしていたが、捜査の過程で数々の「どんより」現象に遭遇し、ロイミュードにも遭遇し、ついには仮面ライダーにまで遭遇したことで完全に特状課の仲間になってしまった。謎の事件、奇妙な事件の影にはロイミュードあり!と見るようになってしまった彼は、今や捜査一課でも浮いた存在と化していて、馬鹿にされるようになっていた。それでもなお、事件の真の解決のために捜査に邁進する追田現八郎の姿が今回は描かれたのだ。実に良かった。
他方、ドライブに変身して戦う特状課巡査、泊進ノ介(竹内涼真)をなぜか愚弄する詩島剛は、泊進ノ介の同僚であり相棒である詩島霧子(内田理央)の実弟。身体能力の高さでは姉と弟は似ているが、性格では丸で似ていない。人相も何だか悪役風で、ロイミュード幹部連の方が正義の味方に見えてしまう。
ロイミュード幹部連にも変化の兆あり。前回の最後、ボルトのロイミュードの奇策によって蘇ったメディック(馬場ふみか)は、今回、早速その能力を発揮し始めた。名の物語る通り、メディックの力は戦闘で傷ついたロイミュードを治療して再生させることにある。マッハによって倒されたガンマンのロイミュード(ベルナール・アッカ)を直ぐに甦らせた上に、ドライブとの死闘で負傷していたロイミュードの首領、ハート(蕨野友也)の傷をも時間をかけて癒し始めた。ハートはメディックを信頼し、メディックもハートを尊敬している。否、ハートだけを尊敬している。チェイス上遠野太洸)はそれを気に入らないようだが、それでも、チェイスチェイスなりにハートとの間に特別な信頼関係を築いているから、まだ良い方だろう。問題はブレン(松島庄汰)。チェイスのようにハートの生命を預かっているわけでもなく、メディックのようにハートを治療できるわけでもない。微妙な立場に追い込まれて焦っているらしいことは彼の苛立った様子から窺えた。
なお、今回の話では特状課長の本願寺純(片岡鶴太郎)が接待攻勢のため職場に不在。初めての不在だったが、今後は不在の場面も出てくるのだろうか。