タモリのジャポニカ・ロゴス

年末年始のテレヴィは特別番組の連続だが、中で元旦に目立つ例年通りの番組については正月の恒例として眺めておけばよい。ともかくも派手な番組の続く数日間に、そのドサクサに紛れて燻し銀のように光る番組もあるのを見逃せない。「タモリジャポニカ・ロゴス」がその例に他ならない。フジテレビ流の衒学趣味とタモリのマニヤックな知性・知識とが上手く調和した番組だったと評してよい。ただし気になるのは「ジャポニカ・ロゴス」という語の語学的な不可能性だろうか。ロゴスというのは元来は古代ギリシャ語だが、そのままの形でラテン語(古代中世ローマ語)にも移入されている。男性名詞で格変化は第二種転尾に準じる。ジャポニカはもちろん近代に造語されたラテン語「ヤポーニア」の形容詞形で、古代ローマ風の発音の方式では、正しくはヤポーニカと発音される。不可能性は、これが女性形である点にある。形容詞は性・数・格において名詞に従わなければならない。ロゴスが男性名詞である以上、形容詞ジャポニカ(ヤポーニカ)は男性形ジャポニクス(ヤポーニクス)となるのでなければならない。故に番組の名称は正しくは「タモリのロゴス・ヤポーニクス」であるべきだった。
テレビ朝日仮面ライダー剣ブレイド)」公式サイトに「2005年新春特別企画!ライダーチーム書初め大公開!」が昨日付で公開されていた。椿隆之森本亮治天野浩成北条隆博江川有未竹財輝之助宮澤亜理沙の書いた色紙の画像が載っている。森本亮治は「愛」とだけ大きく書いてあり、番組制作者側の評者は、力強い筆勢で「愛」一文字を書いてあるところを仮面ライダーカリスに相応しい書蹟として高く評価している。落款が入っていないのは残念だが、評者によれば欄外に「カリス森本より」とあるとのこと。竹財輝之助は「人生太く短く」と太く短く書いているが、「太く」はともかく「短く」は正月早々縁起よくないのではないかと心配する。ここでも凄いのは椿隆之で、落款中の「椿」の文字が少し複雑なことになっている。評者の評言も凄い。「よくわかりません…が、よくわかる不思議な書初め」と評し「椿くんのキャラが剣崎とかぶっているような気がします」とも付け加えている。森本亮治と相川始の違いは常に強調されるが、椿隆之は剣崎一真とよく似ているのか。