仮面ライダーカブト第六話

テレビ朝日系“スーパーヒーロータイム”ドラマ「仮面ライダーカブト」。水嶋ヒロ佐藤祐基主演。第六話。
加賀美新佐藤祐基)の眼前、天道総司水嶋ヒロ)は東省吾(小川敦史)の指揮下にある秘密組織ZECTに拘束された。そしてZECT舎内の一室で岬祐月(永田杏奈)による審問が始まったが、ここでの天道の発言の数々がどれも素晴らしかった。「カブトの正体はあなたなの?」「愚問だな。太陽に向かってあなたは太陽ですかと聴くか?」。「なぜあなたがライダーベルトを持ってるの?」「それも愚問だな。太陽に向かってなぜ輝くと聴くか?」。挙句「尋問と云えばカツ丼だろう?とびきり美味いのを御馳走しろ」と言い放って妙に満足そうな表情。ここでカツ丼を食わせてもらえたことがその後の岬祐月救出劇に意外な彩を添えた。
天道の拉致監禁の件や岬祐月の別行動の件について加賀美はZECTにおける上官、田所修一(山口祥行)に理由を問い質したが、田所は「本部の判断だから仕方ない」という態度。出先の一部隊を率いるに過ぎない下級管理職の悲哀を感じた。というか正確には主任級か何かで管理職でさえないのかもしれない。
それにしてもZECTの警備隊「ゼクトルーパー」が弱い。特にZECT庁舎の入口を守っていた門番の男は、近くを動いたヒヨコ玩具に気を取られた隙に加賀美に捕まり、銃を突き付けられて降伏したが、その銃の正体は指二本。こうしてゼクトルーパーの武器と制服を強奪した加賀美は取調室のある庁舎内に潜入成功。階段を昇ろうとした瞬間、遭遇したゼクトルーパーの一人に銃を向けられ、「云え!鯖と鰹、どっちが好きだ?」と聴かれた。天道もまたゼクトルーパーに変装して脱走中だったのだ。両名の会話から判ったのは、ZECT本部の所在地がどこであるのかを、加賀美は無論のことZECT職員の多くは誰も知らないらしいこと。天道を監禁した庁舎も単なる出先の一つに過ぎないらしい。その出先よりもさらに末端の出先にいるのが田所と岬と加賀美ということか。
今朝の戦闘場面は「太陽の輝きを知るがよい」という天道の呟きとともに始まったが、映像表現上の新しさは特にはなかった。今後に期待。加賀美の父、加賀美陸本田博太郎)が余りにも不気味で恐ろしかった。
予告編に見えた男前は徳山秀典。一九九七年秋の日本テレビ土曜ドラマ「ぼくらの勇気-未満都市」で大勢の子役たちに混じり出演していたところを監督の堤幸彦に見出されて大抜擢され、不良集団の首領ながら意外に機械にも強い男リュウを好演して話題になった俳優。