蜷川ハムレット二〇〇一年公演における劇中劇とフォーティンブラス役の成宮寛貴

深夜、NHK教育テレビ蜷川幸雄演出「ハムレット」2001年公演が放映されていた。途中から見た。蜷川幸雄の「ハムレット」と云うと私的にはどうしても二十年ばかり昔NHK教育テレビで見た公家装束の雛飾り風の舞台を想起するが、その後ああいうのはやらないのだろうか。確かに正統派の演出ではないだろうし、英文学者の間で大変に酷評されていたことも知っているが、吾等素人にとってはああいうのが面白いのだ。
この公演で目を惹いたのは劇中劇。劇中劇中の王(木村雅)と王妃(月川勇気)が上半身裸で芝居をしていたのは不可解だったが、でも美しかった。劇中劇で王を殺害する王の甥ルシアーナス(篠原征志)の、殆ど全裸に近い格好も凄かったが、でもバレエのような動作も含めて、美しかった。
二〇〇一年九月の蜷川演出「ハムレット」は、成宮寛貴のデビュー間もない頃の出演作としても知られる。彼はフォーティンブラスを演じていたが、まだ若くて、そして美しかった。前年に公開された映画「溺れる魚」でゲイの美少年を演じ、この公演の年の八月に放送されたテレヴィドラマ「金田一少年の事件簿」では女装を披露、そして翌年テレヴィドラマ「木更津キャッツアイ」「ごくせん」「少年たち3」「利家とまつ」に出演して注目を集めたのだ。さらにその翌年のテレヴィドラマ「高校教師」におけるホスト上谷悠次を彼の美を代表する役として挙げる人が多いようだが、私的には「Stand Up!!」における宇田川隼人こそがセクシーな男子としての彼の魅力を最も存分に、余すところなく発揮したものと見る。

NINAGAWA×SHAKESPEARE DVD-BOX
STAND UP !! DVD-BOX