夜の笑っていいとも

フジテレビ系「夜の笑っていいとも!2010秋のドラマ特大号」。
遠藤憲一(木曜夜十時「医龍3」出演)が話を盛り上げたことが強く印象付けられたが、オードリー若林正恭(金曜昼「笑っていいとも」出演)の「女の子みたいな自慢話」や微妙な変人振りも面白かったし、玉木宏(火曜夜十時「ギルティ 悪魔と契約した女」出演)も「弱っている人が好き」と発言して持ち前の変態性の一端を発揮したところは見落とせない(無論これは好評価)。料理店で支払の際に領収書に「玉木」を「玉金」と間違えて書かれてしまったという話にしても、案外、当人にとっては楽しい出来事だったのではないのか?とさえ疑われる。
それどころか(番組とは関係ない話になるが)、そもそも玉木宏のファンクラブ組織「タマクラ(TAMAXAY)」の名称も、一応、玉木の倶楽部の意味だろうことは解せるものの、同時に、「手枕」という古語の淫靡な意味(小倉百人一首における周防内侍の歌「春のよの夢ばかりなる手枕にかひなくたゝむ名こそ惜けれ」)を連想させたいのではないだろうか?とさえ邪推される。(これが敢えて「TAMAXAY」と綴られる設定であるのも、実は変な風に読み間違えられてしまうことを密かに期待してのことではないのか?という素朴な疑問については話が下品になるので流石に云わないでおこう。)
最近この番組は、新ドラマの主要な出演者が幾つかの質問について回答を出して語り合うだけの番組と化しているが、今宵一番盛り上がったのは最後の相撲みたいな競技の場だったと云ってよいかもしれない。映画で共演したばかりの玉木宏二宮和也が両名ともに物凄く楽しそうに盛り上がったのは予想通りだったが、約二時間半のこの番組を通して殆ど一貫して無口だった竹野内豊さえもがこの時ばかりは楽しそうだったのには驚かされた。
遠藤憲一がマネイジャー相手にこぼした愚痴を当のマネイジャーである遠藤夫人によって暴露されたとき、近くに坐していた稲森いずみが咳き込んで止まらなくなったのは絶妙なタイミングの出来事だった。オードリー若林正恭がOLの如く美容のためのマッサージをしてもらうのを愛好する話と、相武紗季が自身や周囲の人にマッサージをしては力を入れ過ぎて青アザを拵えてしまう話とが結び付いたのは、面白くなりそうな気配があったのにそのような展開がなかったのが惜しい。