城下町サスペンス姫さま事件帖(3)熱海殺人事件

フジテレビ系ドラマ「城下町サスペンス姫さま事件帖(3)熱海殺人事件」。十川誠志脚本。林徹演出。八千草薫主演。九時からの二時間番組だが、後半一時間しか見ていない。串揚げ店での食事中に女友O氏より携帯電話メイルあり面白いとの情報を得たので帰宅後に見た。推理ものドラマを後半だけ見ると流石に容易には理解し難いが、それなりに面白かった。温泉旅館の仲居の役を演じていた久保田磨希は昨年「大奥」では鷲尾真知子山口香緒里とともに女中「スリーアミーゴス」を結成して諸侯から大奥へ贈られた美味の菓子を盗み食いして「美味で御座ります」「有り難や有り難や」と喜んでいた。事件終結のとき主要な登場人物の殆ど皆が岬に集結したのはもちろん二時間ドラマの常套だが、ここでの最大の見所だったのは、新婚旅行中の警察官の田中勝昭(原田龍二)が人質にされた婚約者の加納ひな子(石田ゆり子)を救おうとして転んで失敗した場面における直前の妄想だろうか。見事な救出の成功の直後、締まりのない笑顔で空を見詰める勝昭の顔が唐突に画面を占めたときには驚いたが、その救出劇の全ては彼の妄想だったのだ。