日曜劇場あいくるしい

今宵からの新番組、TBS日曜劇場「あいくるしい」。野島伸司脚本。吉田健演出。市原隼人綾瀬はるか神木隆之介主演。全十一話中の第一話。通常は夜九時から一時間の番組のところ今宵は十五分延長の特別拡大版。
このドラマの形式上の主演は市原隼人、準主演が綾瀬はるかだが、事実上の主演は神木隆之介であると見て間違いない。でも、誰が主演であるか等はどうでもよいとも云える。彼ら三人の描く姉と弟の関係が魅力的で、見ていて心地よかった。彼らの祖父を杉浦直樹(友情出演)が演じているのも心地よかった。彼らのいる家族の歩みは決して平穏無事ではないのだろうが、そもそも家族というのは葛藤や苦悩や悲哀をも含みこんでゆかざるを得ないものだろう。桜井幸子小栗旬の演じる人物に野島伸司風の不吉な気配が早くも漂っていたのは流石に気になるが、ともあれ、できれば往年の東芝日曜劇場を想起させるような叙情的で感傷的な「家族ドラマ」を期待したい。