金田一少年の事件簿2005吸血鬼伝説殺人事件

日本テレビ系ドラマ「金田一少年の事件簿 吸血鬼伝説殺人事件」。天樹征丸原作。漫画さとうふみや講談社週刊少年マガジン)。福間正浩脚本。池田健司演出。プロデューサー桑原丈弥&小林美穂オフィスクレッシェンド)。制作協力オフィスクレッシェンド。主題歌「ツキノミチ」KAT-TUN亀梨和也主演。夜九時から十一時九分までの放送。
公式サイト「http://www.ntv.co.jp/kindaichi2005/」。
[主な登場人物]金田一一亀梨和也)・七瀬美雪上野樹里)●湊青子(星野真里)・緋色景介(中村俊介)●高橋(田中聖)[友情出演]・仲根(中丸雄一)[友情出演]●猫間純子(小西美帆)・貴船葉平(江成正元)・海谷朝香(山下陽莉枝)・二神育夫(正希光)・辻由利亜(加藤ローサ)●ギャル(サエコ)●安池薫(矢島健一)・比良川透(篠井英介)・流山森太郎(保阪尚希)●剣持勇加藤雅也)。
見終わった。面白かった。もちろん物語も面白かったが、映像の端々に薫るオフィスクレッシェンド風味の独特な表現の美しさが事件の恐ろしさを盛り上げていた。冒頭のコメディ部分の楽しさと後半の謎解き部分の高度な緊張感がドラマの魅力であるのは云うまでもないが、その狭間にあった金田一少年の暗く重い苦悩の部分も、少年名探偵の誕生の瞬間を迎えるまでの序奏として意義は充分にあったと思う。金田一少年「エピソード1」と称される所以がそこにある。少年名探偵の誕生の瞬間は十時八分頃。かの「じっちゃんの名にかけて」の名言がそのとき発せられた。
多くの見所があったが、例えば、九時三十二分頃、金田一少年と剣持警部の喧嘩に貴船葉平が余計な一言を差し挟んだところなど絶妙に面白かった。剣持が金田一少年を「スットコドッコイ」と罵倒し、金田一少年が「何語だよ!」と返したとき、葉平はその疑問に同意して「語源は何だろうね?」と話しかけたのだ。「そこまで掘り下げなくていいから」という金田一少年のツッコミもよかった。亀梨和也と江成兄弟(えなりかずき江成正元)の共演をもっと見たいような気がした瞬間だった。なお「萌え」所としては冒頭、金田一少年マギー審司のデカ耳の手品をやったところとか、九時三十分頃、金田一少年がワインで汚れたシャツを必死に拭いていたとき、そのシャツの下にヘソが見えたところとか。あと何と云っても比良川透役の篠井英介は最初から最後まで迫力に富んでいた。
日本テレビにおけるオフィスクレッシェンド制作のドラマと云えば最近は「光とともに」とか「anego・アネゴ」とか大人の物語が続いたが、これを機に堤幸彦監督KAT-TUN出演で何か制作してはどうだろうか。