ギャルサー第十話

日本テレビ土曜ドラマギャルサー」。藤本有紀脚本。池頼広音楽。主題歌=藤木直人「HEY!FRIENDS」。パラパラ振り付け=前田健。戸田一也&千葉行利(ケイファクトリー)プロデュース。制作協力=ケイファクトリー佐久間紀佳演出。第十話。
米国アリゾナジェロニモ古田新太)がシンノスケ(藤木直人)を日本の渋谷に派遣して探させていた「イモコ」の正体はギャルサー「エンゼルハート」白組のサキ(戸田恵梨香)だった。「広瀬サキ子」という名を偶々縦書で書いたのを見たことでシンノスケは気付いた。「サキ」を下手な字で縦書に書いたのが「芋」に見えたのだ。これにて一件落着か…と思わせておいて実は違ったようだ。シズカ(佐津川愛美)とスミレ(奈津子)がそのことに気付いた。ジェロニモが八年前に受け取った手紙の主は当時九歳の「芋子」。しかるにサキが渋谷に引越してきたのは十二歳のときのことだったからだ。この何とも居心地の悪い真相が、エンゼルハート基地の爆破によるシンノスケの死去(?)という衝撃の結果を受けてどのようにサキを動かしてゆくのか。次週の最終回も確と見届けなければならない。
このドラマの基本は、重大に深刻に見えることの真相が思いのほか些細なことでしかないところにある。今週もそうだった。ジェロニモの「治らない」重病の真相は花粉症だった。そして「エンゼルハート」に対して土屋文具店主の土谷守(高田純次)が大家として強硬な姿勢に出たのは往年の学園紛争の気分を懐かしみたかったからだった。かの怪文書はそのための道具だった。他方、商店会長を辞任した音楽喫茶クリフォード店主の柳下哲雄(生瀬勝久)が落ち込んでいたのは、単純明快ではあるものの、深刻でもあるかもしれない。面白がってドラッグストア店主の相川勇作(温水洋一)に商店会長職を譲ってみたところが意外にも商店会は何ら問題なく従来通り進行し、喫茶店が商店会の集会所として辛うじて機能している以外、もはや商店会の誰も柳下哲雄に用はなさそうなのだ。