家族善哉第二十七話

TBS系。ドラマ30「家族善哉」。第二十七話(第六週)。
原作:島村洋子(『家族善哉』講談社文庫)。脚本:西井史子。音楽:中村竜哉。主題歌:「Step by Step」東方神起rhythm zone)。制作:藪内広之。プロデューサー:芝野昌之&亀井弘明&中村雅人&藤井裕也。制作協力:MBS企画。製作:MBS毎日放送)。演出:中村和宏(MBS企画)。
立多喜井高等学校、休憩時間の保健室。後藤礼子(千堂あきほ)と山口幸雄(川原田樹)が石井咲子(竹内都子)のことで会話していたところに入ってきた上沢貢(中村優一)。山口は退室したものの、あとに残る二人が何を語り合うのか気になって盗み聞き。そこに同じく二人の仲を疑っている石井美佐緒(赤松悠実)と神崎亜美(細川友美)&小野エリカ(林樹里)も合流し、四人揃って盗み聞き。しかるに上沢貢の語り出した内容は、盗み聞きの四人ばかりか後藤礼子にとっても衝撃的だった。彼は「告白」をしたと云うのだ。しかも石井咲子に。ここでの人々の反応がそれぞれ違っていたのが面白いところ。美佐緒等三人組は信じ難い内容に驚く耳を疑うしかなかったが、山口は逆に安堵して自ずから笑顔になってしまっていた。後藤礼子は、上沢貢の恋愛相談に日々応じつつ、彼の「擬似恋愛」の相手は自分自身であるはずだと思い込んでいたから、相手が自分ではなかったという事実に拍子抜けしていた。しかし上沢貢には、眼前の後藤先生がまさかそんな誤解をしていたなんて思いも寄らない。彼は自身の片想いの相手が石井咲子であることを後藤先生には最初から明かしていたかのように思い込んでいたようだ。彼はその真実を咲子自身のほかには誰にも語ってはいないはずなのに。
余りにも「あり得ない」話を、石井美佐緒と神崎亜美&小野エリカは冗談だと思い込もうとして、それで亜美&エリカは美佐緒のため上沢貢の真意を確かめようとして校内の中庭に呼び出した。しかるに彼は、冗談なんかではなく本気だと云い切った。この驚異の真実を、亜美&エリカは美佐緒には隠しておくことにしたが、美佐緒はそれをも盗み聞きしていた。放課後、何時もの喫茶店で会話しながら何とか真実を隠し通そうとして上沢貢は「寒い」笑いが好きな人だと言い張る亜美&エリカと、その友情に応えるため一緒に笑おうとしてギコチなくなる美佐緒との間の微妙な空気。
美佐緒は、意外の真実を何とか納得しようとして結局、上沢貢は「太め」好きなのだ!という結論に達した。恋人に相応しい女になるためには努力を惜しまない美佐緒は、自らも「太め」になろうとして大いに食い始めた。そして翌朝。上沢貢は自身の周辺にどんな騒動が起きていたかを全く知らない。普通に登校して教室に入り、級友の男子と言葉を交わし、美佐緒にも笑顔で挨拶してきたが、美佐緒にはその明るさが辛かったようだ。
ところで、教室での「合宿」の夜、手品を披露していた女子生徒「竹田有希」を演じていたのは竹田有希に相違ない。昨日放送の第二十六話では出演者クレディトタイトルにその名が表示されていたが、本日放送分には逆に表示がなかったようだ。興味深かったので記しておこう。
登場人物(出演者):石井咲子34歳(竹内都子ピンクの電話])/石井紘太郎38歳(嶋大輔)/石井新哉16歳(窪田正孝)石井美佐緒17歳(赤松悠実)/後藤礼子34歳(千堂あきほ)/蒲田浩之(脇知弘)山口幸雄26歳(川原田樹)上沢貢17歳(中村優一[D-BOYS])/高千穂瑛子15歳(寺田有希)数学科教諭(中道裕子)生徒女子15歳(西川風花)内職斡旋業者(後藤健司)/神崎亜美17歳(細川友美)小野エリカ17歳(林樹里)天童ルミ子15歳(芝原渚)生徒女子15歳(辻本瑞貴)宮本紗弥加15歳(古田ひろこ)。