ドリームアゲイン第三話

日本テレビ系。土曜ドラマドリーム☆アゲイン」。
脚本:渡邉睦月。主題歌:コブクロ「蒼く優しく」。協力:読売巨人軍。制作協力:アベクカンパニー。演出:長沼誠。第三話。
藤本雛(志田未来)をめぐる騒動の中で朝日奈孝也(反町隆史)の見せた言動を二ノ宮颯乙(加藤あい)が想起していたとき、脳裏に浮かんだ彼の姿は小木駿介(反町隆史)だった。そのことの意味は深い。視聴者にとって朝日奈孝也の姿が小木駿介であるのは、落雷で落命した小木が同じ頃に病没した朝日奈の身体を借りて復活した事情を分かり易く表現したものであるし、また視聴者への視覚的サーヴィスという面も無論あるだろうが、劇中の、天国庁の官吏=田中(児玉清)以外の全ての登場人物の眼に見えている朝日奈は、小木駿介とは何一つ共通点のない中年男、腹の出た眼の細い中年男でしかないのだ。視聴者にとっての朝日奈は、何をやらせても愛嬌のある青年だが、劇中の人々にとっては威圧感のある嫌な中年なのだ。もちろん二ノ宮颯乙にとってもそうだ。それにもかかわらず事件のあとに想起した朝日奈の姿は朝日奈ではなく小木だった。朝日奈の言動の一つ一つが小木を想起させないではいないことの見事な表現であると見なければならない。