JJL/12-15/雑煮焼餅論

BSスカパー!の番組「JJL」を録画したDVD十二枚を昨年夏八月に頂戴していた内の一枚の、第十二回から第十五回まで視聴。
第十二回は平成二十三年(2011)十二月十八日放送分。
高橋颯が何か物凄く困ったように恥ずかしそうに照れたように発言していて、一体何に困ってるのか全く不明だったが、見ていて思わず手に汗握った。嫌いな野菜をどうすれば食べることができるようになるか?という質問への視聴者からの複数の提言を一つに総合して受け入れた倉本郁に、頭の良さを感じた。
第十三回は平成二十四年(2012)正月一日放送分。
正月の餅の最も美味しい食べ方は焼餅か?雑煮か?を決める討論。雑煮派の松島聡は雑煮の利点と魅力のみならず作り方までも具体的に説明。焼餅を食べると気合が入るという焼餅派の羽生田挙武の意見に対する雑煮派の脇山礼の「年中食ってりゃ良いじゃないですか」という反論が見事だった。しかし焼餅派の「哲学者」高橋颯は雑煮を「汁物っぽいの中の」であるのに比して焼餅を「焼物っぽい中」であると見定めて焼餅が「焼物っぽい中の焼物っぽい」であり、雑煮は「汁物っぽい中の御雑煮」であると論じた。要するに雑煮には非純粋性があるという指摘だろう。十八世紀ドイツのカント哲学の如き論理。そしてドイツ出身のマリウス葉松島聡に寄り添っただけの雑煮派だったので最後に焼餅派へ寝返り、倉本郁は自身の意見よりも討論の流れを見て焼餅派に転じた。
討論の最後には、餅よりも野菜の食べ方が話題になっていた。高橋颯が野菜嫌いであると述べたのを受けて脇山礼が野菜嫌いでも野菜を食べることができるのが雑煮の利点であると主張したのに対し、高橋颯は温めた野菜を嫌っていて生野菜であれば大丈夫であると述べ、驚いた松島聡はロールキャベツでも食べられないのか?と訊ねていた。確かに温野菜が駄目で生野菜が大丈夫であるとは少々珍しい。
第十四回は平成二十四年(2012)一月八日放送分。
第十三回から第十四回まで二回にわたった所謂リレー書道の対戦。中島健人軍では、松島聡と高橋颯が力強く簡潔な線を書き、マリウス葉が大胆に崩していたのが面白かった。佐藤勝利軍では倉本郁の線に迫力があった。猫背を直して肩の凝りを解消するにはどうすれば良いのか?という質問への視聴者からの提言の一として、毎日モデル気分で歩くようにしてはどうか?というのが出たとき、佐藤勝利中島健人を毎日モデル気分で歩いていると述べた。
第十五回は平成二十四年(2012)一月十五日放送分。
欠席の常連出演陣に代わって出演した森本慎太郎や井上瑞樹には貫録があった。討論では最後に勝敗の大逆転があったが、神宮寺勇太中島健人とともに敗者側に留まった高橋颯の、自分自身の生活スタイルを崩したくはないという発言には、独立自尊の格好よさがあった。それに比べると、優勢な側に寝返っただけであるのにあたかも最初から勝者の側にいて苦戦を続けてきたかのような佐藤勝利の態度は流石に一寸格好悪く見えてしまって甚だしく残念だった。