オニスターズ全員集合第七回/黄ばんドールの清い心/ケータの三者面談とエンマ大王

 ニコニコ動画の「テレビ東京あにてれちゃんねる」(http://ch.nicovideo.jp/ch7)内の「妖怪ウォッチ」公式チャンネル(http://ch.nicovideo.jp/youkai-watch)で配信された第百八十八話を視聴。
 一。
 オニスターズ全員集合。第七回。雪山編。
 前回のオニスターズ全員集合が七月七日であるから、その間は二箇月以上。殆ど三箇月近い。冒頭、赤鬼が能書きを垂れる場面は、いかにも「八時だよ全員集合」におけるリーダーいかりや長介による長編コント開始時の演説のようだったろうか。
 二。
 妖怪黄ばんドール事件。
 久し振りの、少し悲しくて少し温かな話。黄ばんドールは殆ど無差別に周囲の人々の衣服を黄ばませてしまう妖怪だが、実は全く悪気はない。それどころか、黄ばみが生じることの悲しさを誰よりもよく知っている。そして黄ばみを生じさせてしまったことに気付くや、心から申し訳なく感じてしまう。とても心の清い妖怪。その清さは、かつて黄ばんドールが普通の人形だった時分、それを愛玩していた少女の清さでもあったろう。
 三。
 おそるべき三者面談!事件。
 三者面談であれ家庭訪問であれ、児童の母は教師の前で自身の子について余計なことを語りまくることがある。語らなくともよいことを、かなり盛って語ってしまう。一般論としてそのように云えるのかもしれないが、今回、三者面談の直前、大いに不安になっていたケータの眼前に口すべらしが現れたことで、ケータは事態の解消へ向けた戦意に燃えるに至っていた。
 しかるに今回の三者面談でケータを動揺させたのはケータの母ではなく、教師の側だった。教室内のケータの奇妙な様子について語り出したからだが、「給食のグルメ」事件を除けば全ては妖怪ウォッチを所持したことに起因する事態だった。果たして教師は口すべらしによって動かされていたのだろうか。それとも案外、口すべらしの干渉なんかなかったのではないのか。
 面白かったのは、ケータが妖怪に対して語りかけ、友達妖怪を召喚するとき、その姿が妖怪を見ることのできない人々の眼には一体どのように見えるのかを確り表現していたこと。妖怪ウォッチに妖怪メダルを「セットオン」する様子は、普段このアニメでは颯爽と格好よく表現されるが、実際にはそれがどのような姿に映るのかを明らかにしていて実に興味深かった。
 最後に面白かったのは、ケータが口すべらし討伐のためブシニャン、さらにはエンマ大王までも召喚し、驚くべきことにエンマ大王の普通に召喚されていたこと。そして正気に返ったケータが戦意を喪失して改めて動揺し始めたとき、エンマ大王が手持無沙汰の様子で佇んでいたこと。