瑠璃の島

日本テレビ系-土曜ドラマ瑠璃の島」。第八話。
藤沢瑠璃(成海璃子)と暁(内田流果)の通う沖縄の鳩海島の小学校に来た都会のジャーナリスト野々村(高杉亘)。小学校長の小浜学(岸部一徳)相手に「島民のエゴ」論を打つけた彼に対する島袋さなえ(小西真奈美)の返答に迫力があった。その通りだ――表面しか見ない限りはそのようにしか見えないだろうと。そう述べた上で、間もなく始まる島の豊年祭のための準備作業に参加してみてはどうかと勧めたのだ。
新垣治衛(平泉成)と妻の佳枝(市毛良枝)が「里子」として迎えた暁が高熱を出したことで瑠璃や仲間勇造(緒方拳)や川島達也(竹野内豊)が必死に走り回っていたとき、野々村はその騒ぎの一部始終を観察しながら当初「なんなんだ?この島は」と呟いていた。これは象徴的だ。どんな世界であれ、余所者から見れば大抵は不可解なものだ。その世界の内部へ馴染んでゆかなければ見えてこないものがある。それが異文化というものだ。
台風による事故で逝去した米盛照明(小日向文世)の一人娘、「いっちゃん」=いずみ(永井杏)が島に残ることを希望し、松隈浩二(勝村政信)と松隈奈津美(西山繭子)の夫妻が引き取りたいと申し出た。この島における「里子」関係は全て、皆が相互に希望することで初めて成立している。暁を受け容れた佳枝にしても、暁が実は夫の隠し子であることを知った上で、一度は抵抗の意を込めて宮園壮平(塩見三省)と半ば駆け落ちを試みたのちに島へ戻ってきて暁を受け容れたのだ。
なお、松隈浩二と斉藤茂(賀集利樹)が豊年祭の出し物として剣舞を練習していたとき、「アドリブ」で腰を振る斉藤茂に対し松隈浩二は「クネクネと腰を動かすな!」と注意した。「クネクネ」。「瑠璃の島」とは関係ない話だが、松隈浩二と斉藤茂をそれぞれ演じる勝村政信賀集利樹NHK大河ドラマ義経」ではそれぞれ平重盛平維盛の父子を演じていた。そして平家の敵の源頼朝中井貴一)は妻の北条政子財前直見)から「クネクネしている」と非難されていたのだった。