野ブタ。をプロデュース第7話感想の補遺

昨夜放送された日本テレビ土曜ドラマ野ブタ。をプロデュース」第七話については既に昨夜とんでもなく長文の感想文を書いたが、実のところまだまだ書き足りてはいない。見直しておくべき名場面が多過ぎるし、考察し論述しておきたい問題は多過ぎる。だが、生憎その余裕も力量もない。今はただ補いたいこと一つだけ記したい。昨夜の吾が大長編感想文においては主に桐谷修二(亀梨和也)に焦点を合わせた。彼の学園アイドル性の自己崩壊過程と、その中で彼の孤独感が殆ど恐怖感にも近いまでに高まり深まりゆく様子こそが「主旨」なのだからそのように視点を構えるのが当然だが、同時に、このドラマ作品の盛り沢山の内実に対してはもっと多様多彩な方向から接近できるのも確かなのだ。特に「野ブタ。」=小谷信子(堀北真希)に注目することは絶対に不可欠だといえる。桐谷修二が「野ブタ。プロデュース」休止を宣言したあとの、寂しそうな小谷信子。放送室を訪ねてきた桐谷修二を引き留めようと必死だった小谷信子。桐谷修二の撮影したフィルムを繰り返し見直しては編集作業に熱中していた小谷信子。桐谷修二との合作を何者かに破壊されたあとの、彼の内面からの表出の結晶を失ったことの悲しさ、悔しさと、彼への申し訳なさの故に涙の止まらない小谷信子。夜の公園、迫り来る云いようのない不安感・孤独感に一人で怯えていた桐谷修二の姿を目撃して、無我夢中で抱き締めてしまった小谷信子。そして思わず彼を抱き締めてしまった己の衝動に自分で驚いて戸惑っていた小谷信子。思い出しただけでも涙が滲んでくる程、静けさの中にも感情表現の豊かな場面の数々だった。