炎神戦隊ゴーオンジャーGP30

土曜から今日までの三連休の間、土曜も日曜も概ね晴天だったが、三日目の今日だけは雨天。
貴重な三連休ではあったが、土曜と日曜の二日間にわたり早朝から夕方までの仕事があり、その内容が普段とは全く異なるものだったこともあって疲れが甚だしい。土曜日には帰宅後スポーツクラブにでも行きたい考えだったにもかかわらず帰宅後に寝てしまったため果たせず、二日間を通じて家にいる間は殆ど睡眠に費やされ、読書こそ幾らかはできたものの、テレヴィは殆ど見ていない。唯一見ることを得たのは、何時もの通り予約録画しておいた「炎神戦隊ゴーオンジャー」位。でも感想文を書く余裕はなかった。ゆえに今ここに書いておく(夕方六時半頃記之)。
東映炎神戦隊ゴーオンジャー」。
第三十話「友情ノパンチ」。會川昇脚本。竹本昇監督。
蛮機族ガイアークからの今回の蛮機獣は害水目ストローバンキ。害水大臣ケガレシア(及川奈央)の拵える邪悪な滋養強壮飲料「害悪製薬ガイアクア」を飲んで強くなるのが特徴。「ドーピングとは汚い遣り口ナリ」とは害地大臣ヨゴシュタイン(声:梁田清之)の褒め言葉。他方、害気大臣キタネイダス(声:真殿光昭)は、「今年の夏はガイアクア!」というストローバンキの言葉に対し「もう夏も終わりぞよ」と冷静な突込み。
ガイアクアには、悪い者をさらに悪へ増強し、悪ではない者をも悪へ変える効能があるらしい。今回の話は、ストローバンキがゴーオンジャー等との戦闘の混乱の中で迂闊にも公園に落としてしまっていたガイアクアを、ゴーオンレッド江角走輔(古原靖久)とゴーオンブルー香坂連(片岡信和)が不覚にも浴びるようにして摂取してしまったことから、予想外の展開を見せた。正義の味方である彼等が、普段とは正反対の悪党になってしまったのだ。普段は知的で礼儀正しい連は、一転、柄の悪い乱暴者へ。そして普段は正義感に燃える熱血漢の走輔は、一転、知的な冷血漢の頭脳犯へ。
ガイアクアを摂取した走輔が、頭脳派と化したばかりか、喧嘩においても驚異の身体能力と技を身に付けて強くなっていたのは注目に値する。逆に、連は弱くなっていたのだが、第十三話では、遠い星から来たプーコリン(小野明日香)の父ドックーゴ(菅田俊)との三番勝負で驚異の身体能力を発揮していたわけだから、ガイアクアには、本来の強さが失われてしまうという意外な逆効果もあるのかもしれない。ともかくも走輔はガイアクアの強力なドーピングによって、ゴーオンゴールド須塔大翔(徳山秀典)をも凌ぐ程の、驚異の格闘の術を身に付けたのだ。その間の彼の冷徹に知的な口調は、月九ドラマ「ガリレオ」における物理学者、湯川学(福山雅治)のようでもあった。その姿は、大翔を理想の男子と見ている妹のゴーオンシルバー須塔美羽(杉本有美)の眼には「兄より恰好よい」と見えたらしく、完全に魅了されていた。
連と走輔は宝飾店で強盗を働いて大量の宝石を手に入れたが、その場に偶々居合わせた美羽は、何かの作戦ではないか?と考え、取り敢えずは自身のゴールドカード(ゴーオンシルバーなのにゴールドカード)で代金を支払った上で二人を追いかけた。ところが、駆け寄った美羽に走輔はダイヤの指輪をプレゼントし、美羽はそれを喜んで受け取ってしまったのだ。心密かに愛している走輔からの突然の素敵なプレゼントが美羽には嬉しかったのだろうが、それの代金を支払ったのは美羽なのに。しかも美羽が代金を支払う前までは盗まれたものでしかなかったのに。それに、このときの走輔は普段の走輔とは正反対の奴なのだから、このときの走輔が美羽にダイヤの指輪を贈るということは、逆に云えば、普段の走輔であれば決してそんな贈物なんかしないということではないのか(そもそも貧乏な庶民ヒーローなので宝石なんか購入できるはずもないという基本的な事実を抜きにしても)。そう考えると、美羽の恋心に泣けてくる。走輔はもともとが罪深い男なのかもしれない。