旅行記四-鉄斎美術館

旅行記四。朝九時の少し前にホテルを退出。荷物を梅田駅のコインロッカーに預けて阪急電車で宝塚の清荒神へ。清荒神清澄寺の鉄斎美術館で開催中の「鉄斎の粉本-画想の源泉・模写3」を観照。何時もながら興味深い資料が多かった。上田秋成像を模写したものがあり、その原本は加藤文麗が描いたものの摸本であるとのこと。文麗と秋成との交流は、幕臣である文麗が大坂城へ勤務し、秋成も大坂へ居を移していたときにあったらしい。誠に興味深い。稚児草子を模写したものがあり、鉄斎は門外不出のその原本を醍醐寺で拝見する機会を得たらしいのだが、模写にあたって性的な要素や場面を全て削除してしまっているのは、画とは徳を表現するものであるというのが鉄斎の信念だったからだろう。興味深い展示で、一時間半か二時間近くも観照したので館を出たのは昼十二時頃。参道にある食堂で昼食。おまけでオデンを付けてくれたが、これが美味だった。清荒神駅から梅田駅へ戻り、一時四十分頃、JR大阪駅を出発。新大阪駅で少し休憩してから二時半頃に出発し、岡山駅を経由して松山駅へ着いたのは夕方六時二十分頃。