炎神戦隊ゴーオンジャーGP45

東映炎神戦隊ゴーオンジャー」。
第四十五話「初夢キカク」。波多野都脚本。竹本昇監督。
昨年九月の第三十一話において結成された女子アイドル三人組「G3プリンセス」に代わる新たな男子アイドル集団として「G5プリンス」が結成された。その構成員は無論、ゴーオンレッド江角走輔(古原靖久)、ゴーオンブルー香坂連(片岡信和)、ゴーオングリーン城範人(碓井将大)とゴーオンブラック石原軍平(海老澤健次)の四人にゴーオンゴールド須塔大翔(徳山秀典)を加えた五人。
新春を寿ぎつつ昨年一年間の労苦を癒すための旅行で訪れた熱海後楽園ホテルに住み着いていた「座敷わらし」の少女(大野百花)を楽しませ、慰めるための特別企画(「初夢キカク」)として、云わば正義の味方としての使命感から結成されたアイドル五人組であり、相手が女子であるだけに女子アイドルよりも男子アイドルが望ましかったという事情もあったとはいえ、考えてみれば、「G3プリンセス」はゴーオンイエロー楼山早輝(逢沢りな)とゴーオンシルバー須塔美羽(杉本有美)の両名のほかに、選りにも選って敵側の害水大臣ケガレシア(及川奈央)までも加えた異例の組み合わせであり、これを続けていると善と悪の区別が判らなくなってしまうという大問題があった。でも、それなりに好評だったに相違ない「G3プリンセス」を解散に追い込んでしまう決定打が、座敷わらしの少女によるケガレシアへの「おばちゃんが嫌だ!」という攻撃の一言だけだったのが凄い。如何にも「炎神戦隊ゴーオンジャー」ならではの展開と云えるだろう。
それに先立ち、範人が早輝と美羽に対し、座敷わらしのために「G3プリンセス」を再結成して欲しいと声をかけ、それに対して早輝も美羽も人数の不足を理由に戸惑っていた際、大翔が「ここは俺に任せて…」と名乗りを挙げようとしていたのは、あくまでも「俺が自作の歌を自ら一人で歌う!」という意味でこそあれ、決して「G3プリンセス」の三人目を引き受けようとしていたわけではないだろうとは思う。でも、年下の「お姉さん」早輝の力で、彼にもピンク色のあの衣装を着せて「G3プリンセス」をさせてもよかったろうとも思う。
冒頭、熱海のホテルへ向かう車中、範人が「御馳走、出るかな?」と発言したのを受けて軍平は「海老とかもあるのかな?」と応じた。軍平の役を演じる俳優の名が海老澤だからか?と思っていたら、その後、ホテルの宴会場で走輔の膳の上の海老が何時の間にか(実は座敷わらしの悪戯によって)紛失してしまった際に、走輔がその「犯人」を軍平と決め付ける根拠としてそれが効いていたようだ。元警察官の軍平を「犯人」呼ばわりというのも一寸凄い。
なお、この宴会の余興(「かくし芸」)として走輔はドジョウ掬いを披露したが、大翔はそれを「独自の解釈」によるものに過ぎないと冷ややかに批評した。大翔はあのような「独自の解釈」に拠らない本格的な正統派のドジョウ掬いを舞えるのだろうか(ちなみに正調安来節には家元もおられる)。