百識王の必殺技

フジテレビ系「百識王」。当地で先週六月二日に放送された「必殺技」特集。ここに云う必殺技とはプロレス技のこと。新日本プロレス永田裕志選手が岡田かずちか選手を相手にプロレス必殺技の数々を実演し、百識団員がそれを見ながら実技に挑んだ。戸塚祥太山下翔央に仕掛けたコブラツイストは辛うじて様になったようだが、藤ヶ谷太輔が真田佑馬に仕掛けた四の字固めは途中から何をどうすればよいのかも解らなくなって、何をやっているのかも解らない状態になっていた。それでも、真田は充分に痛がっていた。
真田に対する藤ヶ谷の四の字固めは、最終的に失敗したのではなく最初から間違え続けていたようだ。四の字固めを全く再現できなかった藤ヶ谷と真田に対するイノッチ先生の「おまえら、どこから教えれば良いんだよ」という言は両名の駄目さ加減を的確に表現している。
それぞれの二人組の内の何れが技をかける側に回るのか?技を受ける側に回るのは何れか?というのは事前に決められていたわけでもないらしい。戸塚と山下の場合は、戸塚が山下の意向を聞くまでもなく一方的に技をかけ始めて山下を慌てさせていたが、藤ヶ谷と真田の場合は、藤ヶ谷が「下が真田だね?」と盛んに言い張って一方的に真田を受け役に仕立てたように見えた。見ていた山下が笑っていたのも、この藤ヶ谷の巧妙な誘導に気付いたからだろうが、厳密に見ると実は、藤ヶ谷に云われる前に既に真田自身が自発的に受け役に回ろうとしていたと見受ける。
しかし駄目さ加減で最も傑作だったのは高田翔のローリング・ソバット。何時ものようにクネクネした体の動き方で一回転したあと、物凄く頼りなく蹴りを入れていた。でも、やり終えたあとの彼のキレイな横顔は、激しい運動で乱れた息を整えようとしているかのような、かなり真剣な二枚目顔だった。百識団一の確り者と云われる高田の場合は、藤ヶ谷&真田のように勢いに任せて何も考えていなかった駄目さ加減とは正反対に、完璧にやろうとして、考え過ぎて変になった感じだろうか。蹴るときの脚の伸び具合はキレイだったが、あれで少し脚を痛めたのか、あとで痛がっていたようだ。