東京フレンドパーク2への滝沢秀明&ジャニーズJr.若手組104人出演

今宵七時から約五十五分間テレヴィで放送されたTBS系の長寿番組「関口宏東京フレンドパーク2」に、滝沢秀明とアイドル候補生ジャニーズJr.の若手104人が出演した。もちろん見た。途中からではあったが、録画しながら見たあと、録画したのを最初から最後まで見た。
中島健人は、牛のヌイグルミを着た愛らしい恰好で一番目のゲイム「ゴー!アップヒル」に出場した。ところが、これが予想外の大失敗に終わった。それ以降は内心かなり悔しく辛かったろうと思われるが、他の出場者たちに笑顔で声援を送っていた。その何時もながら健気な様子には感心したが、見ていて気の毒でもあった。
だが、短期間でアイドル候補生たちの頂上に達したと云うも過言ではない彼の力量と威勢はその後に素晴らしく発揮された。
先ずは四番目のゲイム「ハイパーホッケー」で、高地優吾と並んで目覚ましい活躍を見せた。余りにも鮮やかだった所為で却って出番が短くなってしまった程だった。凄いのは、このゲイムにおける滝沢軍の勝利を決めたのが中島健人の一撃による一得点に他ならなかったことだ。順番に恵まれた結果ではあるが、こういう幸運もアイドルには不可欠であるに相違ない。
そして最終のゲイム「ビッグチャレンジ」(ダーツ)で中島健人は見事に、皆の期待した商品を獲得してみせた。
ここぞ!というときにゴールを決めるのがスター(=アイドル)である…とは彼等ジャニーズJr.にとっては大先輩にあたるSMAP中居正広が常々唱えている説で、実際、木村拓哉中居正広自身も決めるべきときには確り決め続けてきたが、この中居基準で云えば今宵の中島健人はスターの条件を満たしていたろう。
注目すべきは成功の直前と直後の変化の大きさ。標的を狙い、ダーツを今まさに投げようとして構えていたときの中島健人の顔が、英雄的なまでに真剣な、驚くべく男らしい表情をしていたのに対し、見事に的を射て商品を獲得した直後の、いかにも興奮を抑え切れなかったらしく、全身で歓喜を表出していたときの動作と表情は、どことなく、まるで乙女のようだった。
その前の、ハイパーホッケー勝利を決めた瞬間、滝沢秀明の手を両手で握り締めて喜んでいた彼の様子もそうだった。
爽やかなようでいて、時々動作が女子みたいになる…とは菊池風磨による中島健人評だが、むしろこのような男子らしさから女子らしさまでの幅の広さこそが中島健人独特のアイドル性を作り出しているのだろう。
不図思えば、最初のゲイムで失敗したときの悔しさをこらえて、アイドルの明るさを保っていた間の、内に秘められて蓄積された闘志と感情が、あの最終の種目「ダーツ」のあとの、あの爆発的な感情の解放へ通じたのかもしれない。最初の種目におけるあの失敗も、彼自身にとっては悔しかったに違いないが、最後の活躍の場を一段と大きく華々しく創出するためには有効で必要な前提だったのかもしれない。それもまた運勢に他ならない。
出演者に興味のない人々がこれをどのように見るのかは知らないが、興味のある人々はそれぞれ目当ての出演者に注目し、云わば主人公に見立てることだろう。ベンチに坐して観戦し、代表選手に声援を送っていた約百人もの男子アイドル候補生たち、例えば、増田良や高田翔、諸星翔希萩谷慧悟に注目して番組を視聴者した人々も多かったはずだ。
そうした視点の一つとして、中島健人を主人公として見たとき、ただでさえ面白かった今宵のこの番組は(ロマン主義時代の交響曲ではないが)苦悩を超えて歓喜へ至る英雄的な物語性をも備えていて、その余りにもドラマティクな展開には一寸興奮しないわけにはゆかなかった。
なお、滝沢秀明タッキー&翼コンサートの宣伝をしたとき、彼の脇には長身の松村北斗が並んで立っていて、タッキー&北斗みたいな感じになっていたのも面白かった。森本慎太郎がダーツで失敗したとき、中島健人京本大我高地優吾が一際強く拍手して励ましていたのも一寸よかったし、川島如恵留の能力の高さと表情の明るさにも感心した。神田憲征は体付が確りしているようだった。