パーフェクト・ブルー第四話

宮部みゆきミステリー「パーフェクト・ブルー」。第四話。
今回の事件において容疑者として指名手配されながら、探偵の調査と警察の捜査それぞれの進展してゆくに連れて徐々に容疑者らしからぬ善美の言動の人だったと明かされ、最後には被害者として発見された最重要人物、宇野俊彦(葛山信吾)は「ホワイトナイト」。このホワイトナイトが守ろうとした「不思議の国のアリス」は、彼の実の妹のほかに二人。二人の内の二人目は、彼の勤務していた画廊で経理を担当していた秋末次郎(利重剛)の子息、秋末雅史(戸谷公人)だった。
この父は子を「アートはプロデュースで生み出せる」という思い上がりの下に画家として世に華々しく送り出そうとしていたが、子は父からの過剰な期待に応え切れない苦しさから薬物中毒に陥っていた。彼の苦しみを理解し、彼の才を見極め、救い出して、さらに支援しようとしていたのが宇野俊彦だった。
ホワイトナイト宇野俊彦を演じた葛山信吾仮面ライダークウガの一条刑事で、第二のアリス秋末雅史を演じた戸谷公人は仮面ライダーディケイド仮面ライダーディエンドだった。仮面ライダー濃度が高かったが、予告によると、次週はどうやら侍戦隊シンケンジャーの御家老が出てくる模様。
さて、ここからが本題。
主人公の通っているBAR「ラ・シーナ」の若い店員、諸岡進也(中川大志)の今週の出番は二度。一度目は番組開始から十三分間ばかり経過した辺からの約一分半で、二度目は番組開始から二十七分間ばかり経過した辺からの約一分半。
前者では、彼は褐色のシャツを着ていて、客の去ったあとかと思しいテーブル席を掃除したのち、カウンターに戻って、事件の難しさに悩んでいた主人公の蓮見加代子(瀧本美織)に「元気がないね、手詰まり?」と声をかけて話を聴いた。
後者では、彼は赤いシャツを着て、カウンター席に座していた。蓮見加代子が調査のために秋末家を訪ねた際に秋末次郎から贈られて、持ち帰ってきた秋末雅史の抽象画が店に持ち込まれていた。その価値に関して皆で語り合っていた中、絵に詳しい蓮見糸子(高橋春織)が酷評したのに対して姉の蓮見加代子が市場では高値で取引されているらしいと述べたとき、彼は率直に「いや、馬鹿が金出してるだけじゃね?」と感想を述べた。
そのあと彼は額装されていないキャンヴァスのままのその絵を両手で抱えて店内を眺め、どこへ飾ろうかと思案していた。価値のない絵と感じながらも大切に飾ろうとしていたところが面白い。