仮面ライダードライブ第二十七話

平成仮面ライダー第十六作「仮面ライダードライブ」。
第二十七話「詩島剛が戦う理由はなにか」。
警視庁特状課巡査の泊進ノ介(竹内涼真)は謹慎を命じられ、それに伴ってドライブへの変身も禁じられた。そこで同僚の詩島霧子(内田理央)を通じてチェイス上遠野太洸)に応援を要請し、応じたチェイス仮面ライダーチェイサーに変身してロイミュード軍団を打倒しかけていたが、妨害したのは選りにも選ってマッハ=詩島剛(稲葉友)だった。
マッハによって救われた格好のロイミュードの言を聞く限り、どうやらマッハにチェイサーを攻撃させるように仕向ける作戦があったらしい。実際、泊進ノ介と詩島剛が偶々同じ場所に居合わせたのはそれぞれが同一の事件を独自に調べていたからだが、その原因を作ったのは、警視庁捜査一課に設置された特別捜査本部に特状課の全員が呼び付けられたことであると云える。泊進ノ介が現場にチェイスを呼び寄せたのは泊進ノ介が謹慎中だったからだが、その原因を作ったのは、特別捜査本部に「機械生命体犯罪」の専門家として「特殊科学分野研究所の能見」を名乗るロイミュード003=ブレン(松島庄汰)が招かれたことであると云える。偶然に生じたように見える事態は、明らかに一箇所から発している。国家防衛局長官を務める参議院議員の真影壮一(堀内正美)に他ならない。
警視庁捜査一課長の仁良光秀(飯田基祐)はその手先でしかない。実のところ、泊進ノ介に謹慎を命じることができるのは、特状課長の本願寺純(片岡鶴太郎)でこそあれ、捜査一課長ではあり得ない。仁良光秀に越権行為を許しているのはもっと上層の何者かであり、それは「能見」のような得体の知れない人物を捜査本部に加えさせることのできる者でもある。
ところで、今回は国家防衛局長官室に警察庁の「松井警視監」が怒鳴り込んでくる場面があった。警察庁警視監というのは警察庁次長か、長官官房長か、刑事局長か、警備局長か、その他の幹部の何れかであるのか判らないが、これで判ったのは「国家防衛局」が警視庁とも警察庁とも別の組織であるらしいこと。内閣に設置された特別な部局で、長官は内閣府特命担当大臣であるのかもしれない。国家防衛局は「どんより」現象=「機械生命体犯罪」を担当しているようだが、これに関する情報を警察庁と共有すべきことが定められている模様。しかるに実際には国家防衛局は警視庁刑事部捜査一課を勝手に使役しておきながら警察庁に対しては何も伝えていなかったようで、それで松井警視監が怒鳴り込んできたのだ。だが、一官僚が国務大臣にあのように怒鳴るというのは通常あり得ない事態だろう。余程の鬱屈があったに相違ない。
真影壮一を名乗るロイミュード001は人間の記憶を操作できる。警察組織においてロイミュード事件に関する情報の統制が成功しているのは、事情を知り得た警察官の記憶を操作した結果だった。
さらに今回、二人の父親について真相の一端が明かされた。一つは、泊進ノ介の父、泊英介(たれやなぎ)がロイミュード001によって抹殺されたらしいこと。もう一つは、詩島霧子と詩島剛の父がロイミュードを発明した蛮野天十郎だったこと。詩島剛が常々ロイミュードの全滅を宣言し、同時に「時間がない」と呟いてきたのはそのことに関連しているらしい。この重大な真相について、秘密主義者のベルトさん=クリム・スタインベルト(声:クリス・ペプラー)は知らないはずはないが、どのように考えているのだろうか。