がんばっていきまっしょい

フジテレビ系ドラマ「がんばっていきまっしょい」。敷村良子原作。金子ありさ脚本。三宅喜重演出。鈴木杏主演。第六艇。
松山第一高等学校女子ボート部の連帯感の崩壊。一因としてはイモッチ=中浦真由美(藤本静)の体重のこと等もあったが、それを生み出した要因はリー=矢野利絵(相武紗季)の悦ネエ=篠村悦子(鈴木杏)に対する対抗心、主導権をめぐる挑戦にあった以上、確かにダッコ=菊池多恵子(岩佐真悠子)やヒメ=中崎敦子(佐津川愛美)が図らずも触れた通り、全ての根源は悦ネエとリーの間の微妙な関係悪化にあった。悦ネエにとって関野ブー=関野浩之(錦戸亮)は大切な幼馴染みの親友であるのに、リーのブーへの好意を知ったことで悦ネエはブーと親しくするのを止めてしまった。その健気さがまたリーの神経を逆撫でした。リーの言動が悦ネエをそうさせたのに、悦ネエがそうするのがリーには気に入らなかった。理で考えればリーは非道いが、情では充分に共感できる。そこにドラマがある。
松山第一高等学校ラグビー部の花形、中田三郎(田口淳之介)がラグビー部を辞したことを知って、男子ボート部キャプテンの安田恭一(北条隆博)はボート部に入るよう勧めていた。いよいよ中田三郎がボート部員たちの世界に深く関与してくるようだ。男子ボート部員たちと同じく中田三郎もまた悦ネエに対するブーの態度に絶大の好意を認識しているだろうが、そうした中での彼の悦ネエに対する優しさをどう見るべきだろうか。悦ネエに惹かれているのか?それとも逆にブーに惹かれながらも男同士ということで諦めて、却ってブーの恋の後方支援にまわっているのか?或いはむしろ悦ネエのブーに対する態度にも恋の気配を認識して、悦ネエに感情移入しているのか?今後の描写に注目してゆこう。