渡る世間は鬼ばかり二十三話

TBS系。橋田寿賀子ドラマ「橋田寿賀子ドラマ渡る世間は鬼ばかり」。
作(脚本):橋田寿賀子。音楽:羽田健太郎。ナレーション:石坂浩二。演出:竹之下寛次。プロデューサー:石井ふく子。第九部第二十三話。
小島家ラーメン店「幸楽」女将の小島五月(泉ピン子)は、家出から帰宅したあと、小島勇(角野卓造)の持ち出した四十万円の使途がギター購入であり、その目的が商店街の仲間とのバンド結成にあったことを知るや応援したいことを表明。田口誠(村田雄浩)に対しても引き続きバンドに参画するよう勧めつつ、誠の妻である自身の長女、田口愛(吉村涼)に対しては、夫の生き甲斐のことも考えてやれないような妻は離縁されても仕方ないと厳しく叱責した。他方、この田口愛は、今や「幸楽」の新たな看板娘となりつつある大井貴子(清水由紀)に対し警戒感を強め、「幸楽」後継者としての己の権利を守るため、この弟の婚約者を店から追放すべく画策し始めた様子。このドラマにおいては、店の権利を継承したがる者は悉く、店の仕事の苦労を知らない者ばかりだ。「幸楽」の田口愛もそうだし、割烹「岡倉」における本間長子(藤田朋子)もそうだ。しかし店の苦労も知らずに店を継ぐ法はないだろう。