海猿の伊藤英明

フジテレビ系「プレミアムステージ」で昨年公開の映画「海猿 ウミザル」が放映された。無論これは来月五日より始まる毎週火曜夜九時放送フジテレビ系ドラマ「海猿 ウミザル」への序章としての放映であり、云わば新番組の宣伝を兼ねてのことでもある。二〇〇三年の夏テレヴィドラマ「ウォーターボーイズ1」放送に先立ち宣伝のため二〇〇一年の映画「ウォーターボーイズ」が前年に続いて再放映されたのを想起させる。ともあれ今宵は映画「海猿 ウミザル」がテレヴィ放映された。何となく集中して見るを得なかったが、主演の伊藤英明は魅力的だったと思う。でも終わりの方にあった役所内の会議室での審判の場面は、本来なら大感動できるところなのだろうが、むしろ冷めて眺めてしまった。この映画の制作者は「踊る大捜査線THE MOVIE」を手がけた人々なのだそうで、なるほど雰囲気がよく似ていた。とはいえ思うに、テレヴィドラマ「ウォーターボーイズ1」が映画「ウォーターボーイズ」とは事実上は何の繋がりもないに等しい劣化した類似作品でしかなかったのに比べると、今年のテレヴィドラマ「海猿 ウミザル」は映画「海猿 ウミザル」と同一の制作者による明確な続編として制作されるようで、その点は好ましい。
なお、原作は「ブラックジャックによろしく」の佐藤秀峰。脚本は福田靖。演出は、映画版の監督だった羽住英一郎に小林義則を加える(「ザテレビジョン」二〇〇五年第二十六号p.16)。福田靖は一九九九年・二〇〇一年・二〇〇二年・二〇〇五年「救命病棟24時」、二〇〇一年キムタク月九「HERO」、二〇〇二年「父娘探偵・金造&ミチル ホストクラブ殺人事件」、二〇〇二年の織田裕二真夜中の雨」、二〇〇三年「特命係長只野仁」、二〇〇四年「ワンダフルライフ」等の脚本家。演出家として新たに加わった小林義則は二〇〇三年の坂口憲二黒木瞳武田修宏愛するために愛されたい」や二〇〇四年「君が想い出になる前に」の演出に参加したことがある。