仮面ライダー電王第十七話

テレビ朝日系。「仮面ライダー電王」。主演:佐藤健。脚本:小林靖子。監督:坂本太郎。第十七話「あの人は今!も過去?」。
野上良太郎佐藤健)の身体に四体ものイマジンが同居していることで良太郎の身体にかかる負担が大きくなり過ぎていることを重く見たハナ(白鳥百合子)は、イマジンをリストラする必要性を宣言した。誰がリストラされるのか定かではないのに、なぜかモモタロス(声:関俊彦)一人だけがリストラの恐怖に戦いていた。誰をリストラするかアミダクジで決めればよい!というナオミ(秋山莉奈)の提案に、一人でアミダクジを始めたモモタロス。何度やっても彼が選ばれてしまい、頭を抱えていた様子が何とも悲哀に満ちて、そして笑えた。良太郎が最も信頼するのがモモタロスであるのは明白なのに、どうしてあんなに怯えるのだろう。ウラタロス(声:遊佐浩二)とキンタロス(声:てらそままさき)が何の迷いもなくリストラ候補にモモタロスを想定していたのは、モモタロスが一番マトモな神経の持ち主であることを知るからだろう。云わば人の好い奴に嫌な役割を押し付ける構図だ。リュウタロス(声:鈴村健一)が何の不安も感じないのは、ガキだからというのに加えて、デンライナーのパスを所有しているからだった。
良太郎の姉、野上愛理(松本若菜)の喫茶店ミルク・ディッパーでは、愛理の留守中、良太郎に憑依したモモタロスキンタロスとウラタロスが店番。時折とんでもなく表情も口調も性格も変化して何れにせよ何時もとは確実に違う良太郎の様子に、「悪霊」を見出して震えていた祈祷師の三浦イッセー(上野亮)と、それら全てが良太郎の幾つもの「仮面」の表れに過ぎないと信じ込んで平然としていた尾崎正義(永田彬[RUN&GUN])。モモタロスが珈琲豆を一粒一粒、真剣な眼差しで慎重に扱っていたのは、リストラに繋がりかねないような失敗をすることを恐れて、柄にもないことをしていたのだろう。まるで社会人の悲哀だ。
次週の予告に中村優一が映っていた。二年前の秋のように騒ぐ連中が一部に発生することが予想されて心配だが、温かく冷静に見守るのみ。