警部補矢部謙三2第七話
金曜ナイトドラマ「警部補 矢部謙三2」。第七話。
今回、矢部謙三(生瀬勝久)とともに捜査に当たったのは所轄の刑事ではなく、世界に名を知られた私立探偵。その名を握地小五郎(三浦涼介)と云う。倫敦警視庁「スコットランドヤード」で警部をつとめたのち、「出先の殺人事件」や「黒と影事件」を解決して名声を得た。これらの事件の解決のことは、秋葉原人(池田鉄洋)も噂に聞く程に有名であるらしい。
握地小五郎という名は明智小五郎を連想させるが、スコットランドヤードに縁があることに加えて、英国紳士風の服装、眼前の人物に対する心理の分析、咄嗟の迅速な行動は明らかにシャーロック・ホームズを想起させる。推理の過程で、急に凄まじい速度で計算を始めたところはガリレオ湯川学のようでもあった。
握地という姓を矢部謙三はどういうわけか「アンク」と呼び間違えていたが、確かに、握地小五郎の右手の存在感の強さ、コインを投げては素早く掴んで見せる仕草は「仮面ライダーオーズ」におけるアンク(三浦涼介)に近い。
このドラマには稀な、実に格好よい登場人物だったが、生憎、綾小路家の執事をつとめる山野井英雄(村松利史)によって殺害されてしまった。殺害の現場には多数のコイン(あるいはメダル)が散っていて、秋葉原人はそこに「コア」と「セル」を見出した。アンクのコアメダルとセルメダルの如し。
矢部謙三と握地小五郎に事件の解決を依頼したのは、大富豪、綾小路家の当主、綾小路秀麿(浜田晃)。神ヶ内村の武者小路村長(浜田晃)によく似ている。